どうとく通信 ○年○○月○○日
○○中学校1年○組
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【資料あらすじ】 おばあちゃんの指定席 永田繁雄 「自分を見つめる」P.6~7
毎週土曜日、ゆう子は電車に乗って張り切ってピアノのおけいこに出かけます。乗る電車と座る席はいつも同じです。なぜか?その理由は、あるおばあさんとの出会いにありました。
二週間前の土曜日、電車に乗っていると、混雑した車内におばあさんが乗ってきました。席は空いていなかったので、おばあさんは手すりにつかまって立っています。ゆう子は思い切って立ち上がりおばあさんに声をかけ、席をゆずりました。ていねいにお礼をするおばあさんのうれしそうな顔をみて、ゆう子もうれしくなりました。
次の週も同じ電車の同じ場所におばあさんは乗ってきました。お茶の教室のために、ゆう子と同じく毎週この時間に乗るのだそうです。「来週もこの電車に乗るから、絶対に来てね。おばあちゃんの指定席だからね。」ゆう子は席を取っておくことが楽しみになりました。
その日、いつものように席を取っていたゆう子でしたが、足に包帯を巻いた男性が乗ってきました。おばあちゃんが乗ってくるのはまだ先の駅。男性はつらそうに立っています。(どうしよう、かわってあげたい。でもおばあちゃんとの約束もあるし…。)迷った挙句、ゆう子は結局男性に席をゆずりました。「これでいいんだ。おばあちゃんにはあやまろう。」そう自分に言い聞かせながらもドキドキしていたゆう子は、にこにこ顔で入ってきたおばあちゃんを見て涙をポロポロこぼし、小さな声で伝えます。「おばあちゃん、ごめんなさい。今日は席が無いの。」
おばあちゃんは笑顔で大きくうなずいてくれました。
【道徳の内容】 何かに感謝したりだれかを思いやったりする心情は、強制されて表出するものではなく、人とのふれ合いの中で自然と湧き出てくる人間が本来的にもっている心根です。世の中が冷たくなったと感じるこのごろ、人々は相互に無関心で、思いやりや感謝の気持ちにかける言動が目につくことも多いでしょう。
この資料に出てくる少女がもっている、純粋に人を思いやる気持ちややさしさに触れた生徒たちには、自分の心の中にもこういった気持ちがあることに気づき、思いやりや感謝の心を育てあたためていってほしいと願います。
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